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アロエッテの歌よ世界に響け

「アロエッテの歌 」は犬木加奈子さんというホラー漫画作家さんが描いているのですが、この作品ホラーじゃないのに、検索したらおもいきり

─ホラーMシリーズ─



って銘と一緒に出てきます。


でも本当はビクトル・ユゴーの有名な作品

「レ・ミゼラブル」(ああ無情)

を基に、ジャン・バルジャンの養女になるコゼートを主役に描いた漫画なので、
ぜんぜんホラーじゃないんですよ。


犬木加奈子さんの、ホラー作家としての名が売れていたからか
連載した雑誌がホラー系だったからか
漫画の絵だけ見たらホラーにしか見えないせいか
「ホラーシリーズ」なんてカテゴライズされてしまっています。

ホラーがダメな人には端から避けられるし、ホラーが好きで手に取った人には「ホラー違うし」って退けられること必須だと思うので、そこがまず失敗だったんじゃないかと思います。



4巻だけたまたま読む機会があって、あまりに面白すぎたので、揃えようとして本屋を何件もまわりました。でも絶版になってる挙句、古本屋にも一冊も置いてなくて、ネット販売で在庫検索しましたがほとんどヒットせず、何ヶ月も入荷をチェックし続けました。

もう順序がどうのとか言ってられないから、見つけ次第揃えてましたが

最終巻の7巻が中古でボロボロのくせに 2000円近い値段して吹きました。

でもどうしてもラストを一秒でも早く知りたくて ブルブルしながらも購入。


そしたら、そのべらぼうに高かった最終巻だけ






超ガッカリな内容だった。





それまでの流れでは考えられないくらい、表面をなぞって全速で終わらした感ゆんゆんに仕上がってました。
たぶん、人気が出なくて、無理やり終了させられたんじゃないかと。




というかまじで本気面白いから、周囲の親類縁者手当たり次第に

「騙されたと思って読んでみて!」

と手に握らせて、1巻読み終えるまで逃げないように見張って読ませてみたんだけど、誰からも共感を得られなくてキーッってなりました。

まず大概、絵を見せただけで拒絶されます。

確かに





斜め横から見たときに目玉が飛び出てます。


線が重厚で、若干まことちゃんっぽい絵で、そこからさらに目玉が出てます。



ルフィに攻撃が効かなかった時のエネルぐらい出てます



エネルはあまりの驚きで、1コマだけ形相を崩しましたが







この漫画はそれが普通です。





でもこの絵だからこそ!


レ・ミゼラブルの精神世界に調和した、無情に歪んだ世界の歯車が廻っているかのような描写を可能にしてるんです。

人の残酷さが、登場人物達の奇妙な面容の中に、滑稽で醜くも、息を呑むくらい生々しく魅力的に表現されてて、胸に迫ります。

そこに蹂躙されながら、消え入りそうな愛を糧に、少しづつ希望に手を伸ばして
美しく成長する「小さなさや」コゼート。

目ん玉飛び出てても、どんな少女漫画の主人公よりかわいく見えてくるんだってば。

なんで荒木飛呂彦がいけてこれがダメなんだ

荒木飛呂彦先生たぶんこの漫画好きだと思う!

絶対「ンッン〜♪ズキュウゥゥン!!」って言う




ほんとこの漫画、内容にとどまらず、購入する側の漫画にまつわるエピソードにまで無情が及ぶという、色んな枠組みを超越した凄い作品なんです。

好きって言ってくれる人が一人でも増える可能性に水をまくため、ここで愛を叫んでおきます。



ちなみにまだ全巻揃ってない




なんてことはない日々 | 2009年01月07日 23:55
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